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【2025年05月05日13:26 】 |
白睡蓮 ①
さて、久方ぶりに少年ハナビで小話などをば…連載? してみまする。
うーたんの体調も落ち着いて、旦那と仲良く昼寝しているので、気晴らしであります~。
以下、趣味の二次創作メモなので、興味のある方のみどうぞ~。
一月も末の話である。

日も幾分高く昇った時分、今だ光りの届かぬ冷やりとした寝室にひとり…まだ歳若いであろう幼い子供が、清潔に整えられた白い敷布の上へ華奢な身体を横たえていた。

眠っているのか、長い睫毛に縁取られた瞳は固く閉ざされており、僅かに色づく小さな唇からは、微かな寝息が漏れていた。

枕元に流れる絹糸の如き黒髪。
陶器のような白いすべらかな肌。
高貴な威厳を漂わせる美しく整った目鼻立ち…。

緩やかに上下する胸の動きがなければ、まるで、熟練の人形師による繊細な手業で創られた精巧な少女の人形のようだ。
そう…まるで人間のように生けるが如く美しい人形が、今にも動き出そうと、生命を吹き込まれる瞬間を待っているかのような不思議な情景…。
見た瞬間に、誰しも心奪われるであろう純粋な美しさ。

日の光りが届かぬ薄暗い寝室は、その場所だけ時が止まったかのように、シン…と静まり返っていた。

ふいに、ピクリ…と、細い指が動いた。
人形の如き少女は、ゆっくりと唇を震わせると、静寂を惜しむように、物憂げに溜息を洩らす。

「ふぅ…」

それは、耳を慎重に凝らさなければ聞こえないほど、小さな…小さな声だった。

「…もう、こんな時間か…」

ポツリと不満そうな口調で呟く固い声質。
少女にしては低いその音。
そして、次に開かれた瞳…その色と、強烈なまでに強い意志を秘めた瞳を、一度でも覗きこんだ事のある者は、二度と「人形のような美しい少女」…とは、軽々しく口に出来ぬであろう。

その残酷なまでに美しく整えられた顔を唐突に歪め、少年は、チッと舌打ちを鳴らした。

「姉さんったら、起こしに来てって頼んでおいたのに。そろそろネジのヤツが来る時刻…いつまでも、寝ていられないな…」

少年の名は、日向ハナビ…。

齢、十一にして、日向宗家の次期当主と目されている。
五つ年の離れた姉がひとりあったが、宗家唯一の長男である。


うーたんと旦那が起きてきたので、ひとまずここまで!
とりあえず、ハナビの登場であります。


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【2008年01月27日16:25 】 | 日向小話 | コメント(0) | トラックバック()
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