忍者ブログ
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

【2025年12月13日10:43 】 |
ヒアシ事件簿③
只今、里帰中~なので頂いたメールへの返信は帰宅してからになります。ごめんなさいです。
そして全くオチまでたどりつかない小話の続きをば…文字制限がニクい(遠い目)
肌を刺すような冷たい風を切って走りだしたネジを追って、ヒナタも全速力で駆けた。

「ネジ兄さん…里で何があったのですか?」

ヒナタは、騒ぐ気持ちを押さえながら、厳しい表情で前方を見据えるネジの耳元に問掛けた。

「…家に着くまでは何とも言えませんが…ヒアシ様が、宗家の屋敷内で倒れられた…と、先刻私の元へ内密の伝令が参りました」

ネジは、チラリと背後の二人の距離を確認しつつ、ヒナタにのみ聞こえる低い声で手短にヒアシの急を知らせた。

「お父様が?」

一瞬で顔色が青ざめたヒナタは、震えそうになる唇をキュッと強く噛んで、一刻も早く里へ帰還する為に再び走る事に集中した。

「ヒナタ様…里まで走れますか?」

そうとう酷い顔色をしていたのだろう。
先導していたはずのネジが、いつの間にかヒナタの脇へ付き添うように走っていた。

「私は大丈夫です。ネジ兄さんこそ、ずっと走りづめでしょう? 私のせいで…ごめんなさい」

ヒナタは、もともと白かった肌を更に雪の如く白く染めながらも、思いの他気丈な声で答えた。

「大丈夫です…きっとお父様も…」

ハラハラと舞う白い粉雪が、まるで儚い命の如く風に散らされていく。

ヒナタの祈るような呟きに、ネジはただ口をつぐんで、里の入口を目指した。

※つづく

拍手[1回]

PR
【2008年02月17日19:51 】 | 日向小話 | コメント(0) | トラックバック()
コメントの投稿













トラックバック
トラックバックURL

前ページ | ホーム | 次ページ

忍者ブログ [PR]