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【2025年05月05日10:22 】 |
ヒアシ事件簿②
携帯から打ち込むと文字制限があって、思うように書けず…とりあえず続きをこっちで
怪訝に目をすがめたキバと、シノは、雪の舞い散る中を駆けて近付いてくる長い黒髪の青年を見つめた。

「ネジは、迷う事なく真っ直ぐこちらへ向かっている。我々の誰かに…何か、緊急の要件があるようだな」

静かにネジの目的を予測するシノは、黒いサングラスの奥に隠された目を光らせ、チラリと背後のヒナタへ視線を向けた。

「えっ? わ、私?」

いつの間にか白眼の発動をやめていたヒナタが、パチクリと大きく睫毛を瞬きした。

「ヒナタ様!こちらでしたか!」

間もなくして、三人の元へ到着したネジが、他の二人を無視して、挨拶もそこそこに息を乱した口調でヒナタにつめよった。

「里に向かっているという事は、もう任務は終えたのですね。至急里へ帰ってきて下さい」

ネジは、有無を言わさぬ固い表情で、追い立てるようにヒナタを急かした。

「ネジのヤツ、なんだってんだよ。今、帰るとこだって見りゃわかんだろ?」

「何があった?」

キバが文句を吐くのを遮って、シノが、静かなプレッシャーをかけるようにネジへ問掛けた。

「お前達には関係ない事だ。さあ、ヒナタ様、お急ぎ下さい。事は一刻を争います」

微かに鼻じろんだネジだったが、剣呑なキバの気配にも、シノの無言の圧力にも動じず、再びヒナタへ視線を戻した。

「は、はい! で…でも、ネジ兄さん。まず先に任務報告を済ませないと…キバ君とシノ君も一緒に…」

「報告は二人いれば十分だろう? 今は本当に緊急事態なんだ…貴女はわかっていないだろうが…。詳しい説明は道程で話す。頼む…ついてきてくれヒナタ様!」

珍しく切羽詰まった真剣な瞳で見つめられたヒナタは、いつになく青ざめたネジの表情にハッと息を止めて急いで頷いていた。

「う、うん。分かった。キバ君シノ君、先にネジ兄さんと行くけど…いいかな? 報告書は、後で必ず提出するから…」

ヒナタが、長年組んで気心の知れたチームメイトの顔を見つめると、キバもシノも、仕方ないと頷いた。

「ただし、俺達も一緒についていくぞ。聞かれたくない内容だってんなら、少し離れてやるから、手早くヒナタに説明してやれよな」

一緒について行く気が満々のキバが、ニヤリと不適に笑う。

「ヒナタにとって緊急の事態であるならば、それは我々にも無視出来ない事態という事だ。何故なら…我々はスリーマンセルの仲間だからだ…」

シノもまた、ここは譲れないとばかりにボソリと呟いた。

「フン…。里まで全力で走るぞ」

※つづく

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【2008年02月15日13:09 】 | 日向小話 | コメント(0) | トラックバック()
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