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【2025年05月05日00:07 】 |
クリスマス
久しぶりに季節ネタをば。ちゃんとネジヒナになるかな?
『あわてんぼうなサンタクロース』

クリスマスの夜。日向宗家でも、珍しい洋風の手料理が準備され慎ましやかにではあったが、異国の習いを模したお祝いの食卓を家族三人で囲んでいた。「ハナビ?もう眠いんだったら、お布団用意しようか?」コクリコクリと小さく頭が揺れ始めた妹に気づき、ヒナタは、夕食後のデザートと紅茶を用意していた手をとめた。「うん…ケーキ、明日食べる…父上、お先に失礼します。おやすみなさい」姉の声に眠そうな眼を擦り、ハナビは、いつもよりだいぶ早い時間に寝室へと下がった。「昨日から、ちょっと夜更かしが過ぎたかな?」幼さの残る妹の寝顔を、そっと背にして居間へ戻ってきたヒナタは、昨夜の興奮気味なハナビの様子を思いだして苦笑した。異国の地でサンタクロースはいるか否か。寝ている子供にプレゼントを贈るというが、はたして忍びの名門である宗家の人間に気づかれずに侵入できるのか。空飛ぶソリとトナカイは、どんな術なのか。と言ったたわいもない話題を、姉妹で夜遅くまでして…そしてたぶん、ヒナタが自室へ戻った後も寝ずに朝方まで起きていたであろう妹の寝不足気味な今朝の顔を想像して微笑んだ。「ハナビは寝たか?」居間でひとり食後の茶を飲んでいたヒアシは、静かに視線をあげ娘へ尋ねた。「はい…でも、どうしましょう。ハナビが寝てしまったから、このケーキ…明日まで残すにも、ちょっと心配だし…」ヒナタは、明日食べると言った妹の言葉を思いだしながら困った顔で溜息をはく。食卓に残されたまだ切り分ける前の大きな家族用クリスマスケーキを二人して見て、ヒアシもまた眉間にシワを寄せた。「今日は、少し胃にもたれたようだ。私はかまわんから、ヒナタたちで食べなさい」そう言うとヒアシは、そそくさと自室へ引きこもってしまった。「あっ、お父様―?」おやすみなさいを言う間もなく去った父の背に、ヒナタは、再度溜息をはいた。「もう…生クリームだから、明日まで長く置いておけないのに。どうしよう…」ハナビが喜ぶからと、つい大きなケーキを昨夜から仕込んで手作りしてしまったから賞味期限は今夜まで…明日までの保存は出来ない。残念そうに力作ケーキを見つめたヒナタは、つと生クリームをひとすくいして、ペロリと舌先で指を舐めた。「ん…美味しくできたのに…な…」ヒナタは、少しだけ拗ねた声で呟く。食べて貰えなかったクリスマスケーキ…一緒に過ごしたかったクリスマスの晩…「ネジ兄さんの嘘つき…」続

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【2008年12月25日18:21 】 | 日向小話 | コメント(0) | トラックバック()
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