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【2025年05月04日20:45 】 |
祝双子
ヒアシ様、ヒザシさん誕生日おめでとうございます~久しぶりに日向の双子話しをば、今度は消えないよう携帯充電しながらで(笑)

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新しい年を迎えて数日。七草の粥を食して家族で過ごしたのは、昨日の事。

無邪気に戯れる事が許された幸福だった記憶のカケラ。

その日、まだ幼かった双子たちは、いつも通りに日が昇る時刻に布団から起き上がり、朝から互いの顔を見合わせて、フフッと笑った。「おはよう。ヒザシ。もう太陽は出てるぞ」「おはよう。早いねヒアシ兄さん…」布団の上に座ってまだ少し眠たげな声で答えるヒザシに、ヒアシは自分は兄だからなと胸を張って得意げに笑った。肩の上で綺麗に切り揃えられた黒髪と、鏡をのぞきこむように寸分違わぬ容貌の二人の子供。
ヒアシとヒザシは、稀有な血統の一族に生まれた一卵性双生児であった。「あ、そうだ。たんじょうびおめでとう。兄さん」思い出したようにヒアシを見ると、ヒザシはニコリと笑う。「それを言うならヒザシもだろ?同じ日に生まれたんだから、ヒザシも同じ三つだ」呆れたように指摘するとヒアシは、頬を緩めて嬉しそうに笑った。「今日はトクベツな日だと、父上が言ってたから、早く起きてアイサツしにいくぞ。ヒザシ、ねぼすけはおいてくからな!」早くも着替える体勢に入った兄を見て、ヒザシも慌てて起き上がった。「兄さん。ぼく先にオシッコいってくる」大人の手を借りずに一人で着替えられるようになったとはいえ、まだまだモタモタするのが実際の話し。ずっと近くにいたから、互いの行動パターンもよく分かる。「早くしろよヒザシ」冬の寒さでもたつく指で、一生懸命着物の紐と格闘しながら、ヒアシは、廊下を小走りに行く弟の背中を見送った。「そういえば、父上。今日は、なにをするっていってたかな…」ヒアシは賢しい瞳を瞬きすると、大切な何かを思い出すように小首を傾げた。


その日、日向宗家では、嫡子たるヒアシの三歳のお披露目と、弟ヒザシの正式な分家への降家が決められた。鏡をあわせたような双子の容貌は、その時よりただひとつヶ所だけ異なる。僅か三つの幼いヒザシの額には、死ぬまで消えぬ呪印が刻まれた。


同じ両親、同じ家から生まれた双子が、物心つくまで同じように生活していたからこそ、その生きる場所が遠くなった違和感に、互いに苦しんで大人になっていったのかな~という水乃的双子の原点。やはし双子だからこそだね。
ちなみに、うちの三歳児はこれくらい小賢しく会話します(笑)

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【2009年01月08日16:05 】 | 日向小話 | コメント(0) | トラックバック()
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