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【2025年05月05日00:30 】 |
白睡蓮
久しぶりに少年ハナビ。なんか文章書き方わすれたわ~
自分の気持ちを自覚したのは、まだほんの七ツの頃で…。
利発な子と云われていたものの、身体も心も、頼りない子供でしかなかったあの時に、父より知らされた事実と、姉と従兄の身に起きた出来事とが、そうとは意識せずとも、幼児の心に衝撃を与え、成長を急かした。

白睡蓮『無自覚な恋もしくは想い』

あれから、四年。その日も、日向ハナビは、ひとり黙々と自己鍛練に励んでいた。堅牢な造りに守られた宗家の庭先で、簡素な黒の装束に包まれた細い体躯が、休む間もなく自家独特の型を流れるような動きでなぞる。白い肌にうっすら汗を浮かべ、乱れる脈拍を抑える為に荒く息を吐き出す。ほぼ二時間、ぶっ続けの修練は、その日一日のハナビの体力と精神力を量るいい目安だった。それに躯を動かしていると、暫くは外部からの煩わしさから離れられる。今年、11になったハナビは、年相応に身長も伸び、その美しく整った顔立ちに、幾分か逞しさを滲ませる少年へと育っていた。
「─ハナビ?」
ふいに柔らかな声が、ハナビの名を呼んだ。ハッと集中を途切れさせたハナビは、ボウッとした顔で振り返った。
「なに?…ヒナタ姉さん」
ぶっきらぼうな口調で答えたハナビは、面倒臭さそうに額の汗を拭う。
「ご、ごめんね。ハナビまだ続けるつもりだった?朝からずっと、外にいるみたいだったから、心配になっちゃって…、あまり根をつめちゃダメだよ─」
五つ年下の弟の身を、心から案じているのか、ヒナタは優しげな眼差しを少しだけ曇らせて、心配そうに話しかけてくる。そんな姉の表情を、目の端に捉えながら、ハナビは欝陶しそうに唇を歪めた。
「僕の事は構わなくていいよ。姉さんこそ、中忍になってから忙しいんだし、たまの休みくらい家にいないで、外で遊んでくれば?」(ちょうど休みの上忍のアイツでも誘ってさ…)
皮肉混じりの最後の言葉だけ、心の内で呟いて、ハナビは、憮然とした顔をヒナタから背ける。
「えっ?でも、ハナビ…」
戸惑うヒナタの声が、不安げに響く。幼い頃から可愛がってきた弟の素っ気ない態度に、知らずヒナタは、落ち着かない気分になってきた。
「姉さんにだって、誘う友達くらいいるだろ」
あえて誰とは云わずに、ハナビは、姉を追い払うようにヒラヒラと手を振った。
「だ、だったらハナビが付き合ってよ!たまにしか家でゆっくり話せないのに、何でそんな風に意地悪いうの?」
ヒナタは、ムウッとむくれた顔で、珍しく弟に命じた。

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【2008年11月17日08:27 】 | 日向小話 | コメント(0) | トラックバック()
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