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【2025年05月03日12:10 】 |
父親業
本日はお父さんの日ですね。我が家のパパには、愛しのうーたん三歳からパパの似顔絵がプレゼントされてるので(去年はまだ描けなかった人物画)妻たる私からは…ない。ケーキでも…と尋ねたのに、自分で和菓子買ってきちゃった旦那@どこまで安上がり(笑)

さて、暫く沈黙して悪魔の山でレベル上げしとった水乃さんです。Iさんが父の日ネタをアップしてくれて、ヒアシたまの可愛い姿を垣間見させてくれたので、いっちょ私も…と、父ネタを考えてみる。親父好き仲間さん増えるといいな~


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『父たるもの』

日向宗家の当主の元へ嫁いで十年あまり。その妻が急逝して初七日が過ぎた頃。日向ヒアシは、日々多忙を極める当主たる自らの業に、独り哀しみに暮れる暇も知らず…妻のいない日を重ねる事に僅かな悼みを覚えながら少しずつ身を削られていた。そのような忙しい中での事である。日向の…それも宗家当主の妻の葬儀とあって、木ノ葉の重鎮から分家筋の者までが時を置かずして弔問に訪れ目まぐるしく立ち動いていた数日間も、一先ず落ち着きを取り戻していた。妻はなくとも古くからの下働きもおり、日常の生活をする人手は足りている。ヒアシは、久方ぶりにゆっくりと夕餉を食し、湯を上がり自室へと戻る。夜ともなればシンと鎮まり返る屋敷内の空気に、まだそこかしこで故人の気配を感じずにはいられなかった。夜も幾分更けた時刻。僅かな痛みと共に妻を懐かしむヒアシの元へ、躊躇いがちに訪れる家人の気配があった。「…まだ何か用か?」ヒアシはフウッと溜息を吐き、寝床の襖越しにしばし佇む者へ声をかける。「お、お父さま…。おやすみのところ、ご、ごめんなさい」答える声は幼い子供の…小さく吃りがちな喋り方。「ヒナタか…入りなさい」こんな夜遅くまで起きていたのか…と、眉を潜めながらもヒアシは娘を招き入れた。「もう寝ている時刻だろうに…ハナビまで連れて、どうしたのだ?」齢七ツのヒナタの傍らには、姉にしがみつく様にして立つ五つ下の娘のハナビが、眠そうな目を擦りつつ手を引かれて寝室へ入って来た。「ご、ごめんなさい。お父さま。そ、その…おふとんでねていたのですが…」ハナビが…続く言葉は、ヒアシの顔を窺いか細く頼りなげに縮まる。怯えたように沈黙してしまったヒナタを見遣り、ヒアシは話しなさい。と先を促す。「…ハナビが、お母さまがいないって泣いてしまって…。下女がねかしつけてくれていたんだけど、今夜はもう部屋へ下がってしまっていて…」早くも一人部屋を与えられているヒナタの寝室まで、薄暗い廊下を歩いて、たった二ツの幼児は泣きながら姉の懐へ潜り込んで来たという。心底困ってしまったのだろう。ハナビの涙につられたヒナタの瞳も、赤く充血し…擦り続けただろう瞼を大きく腫らしていた。「ヒナタ。ハナビ…来なさい」本来ならば下女を呼び自室へ戻すべきなのだが…ヒアシは眉をしかめたまま、ぎこちなくかけ布団をめくり幼い娘達を呼んだ。「今夜だけだぞ…」無骨な手では、失った母の温もりの代わりにはならぬだろうが…な。

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【2009年06月21日06:09 】 | 日向小話 | コメント(0) | トラックバック()
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