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【2025年04月20日14:29 】 |
春しらず
寒いですね~明日には自宅へ帰るつもりが、なんか雪マークです。旦那いわく、今夜も降ってるとな。昼まで積もってたら、延期しよう。

さて、なんか小話をひとつ上げたいな~なんて思っていたわけですが、ハナビちゃんの話でお誕生日ネタは意外と書いてるもんで…キバハナの本とか、ハナヒナでね。

どうするべ~かと悩みまして、とにかくハナビが喜ぶプレゼントがいいよな。と、ただそれだけを考えて、ひっさびさに少年ハナビに挑戦してみます。
ネタも何も、携帯打ちながら考えるのでメモ程度になるやも。それでも読むよ~と言う方のみ、追記にアプしますんで宜しくです。
『雪桜』


はらり と雪が舞う。陽も暮れて白灰色に厚く覆われた空を仰ぎ見れば、薄暗く。深い山の裾野までを真白い雲が、峰の背を越え谷底へと這い落ちていく様が見てとれた。
木ノ葉の里から、遠く山ひとつばかり越えた国境で、ハナビは、手を伸ばす。
まるでひとひらの花びらのように、ひらひらと風に戯れる様は頼りなく。指先に触れる程なく、その美しい水の結晶はしゅんっと音もなく消えていく。
「ああ…あと少しなんだけどな。意外と…遠いな…」
ハアッと、深く呼吸を吐き出してハナビは、力の入らない四肢を恨めしく眺めた。
冷たく吹きおろす山風に飛ばされ空中をさ迷う氷の一欠けらは、みるみるうちにその数を増してハナビの手のひらを、腕を肩を…その身全てを白く染めていく。
「あーあ。結局、約束した自分の誕生日迄に帰れそうにないや。約束したのに…破ったら、姉さん…怒るだろうな」
きっと今頃、木ノ葉の里は姉の好きな梅の花から、白く染まった桜の花へと移り、ヒナタの目を楽しませその身を香しく包んでいるのだろう。
『ハナビの誕生日には、この桜の蕾が開いてるかな?任務が終わったら、一緒にお花見へ行こうね──』
任務が無事に終わったら、すぐに帰ります。
そう、ヒナタと約束した。
多少無理をしても、必ず戻るつもりであったのだけれど…。
ハナビは、ハアッ…ともう一度だけ大きな溜息を吐き出した。
吐く息は白くその場へと留まり。急速に冷気へ熱を奪われる体温を感じる。

はらはらと舞い散る白い雪の花は、春のつむじ風に舞い上がる桜の花びらのようだ…。

「寄り道しないで、早く帰らなきゃな…姉さんが、心配しちゃう…」

呟く声は、薄い白灰色の影にとけて──。

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【2010年03月28日22:21 】 | 日向小話 | コメント(0) | トラックバック()
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